顧客ともっとつながる―誰も気がつかなかった店舗のケータイ活用術 小泉 耕二
顧客ともっとつながる―誰も気がつかなかった店舗のケータイ活用術
小泉 耕二
携帯とCRMの可能性が明快に書かれてある
携帯はPCと比べて何が良いかというと、そのフットワークの軽さである。PCは基本的に
机の上で使うものだが、携帯は歩きながら使うものである。町中で看板を見ているときや、
デパートの中で「これは!」と思うものに出くわしたとき、手元にPCは無いが携帯ならある。
これまでPCをベースにしたCRMシステムは様々語られてきたが、何か概念だけが先行
する感触が否めなかった。それは今にして思えば、PCのフットワークの悪さだったのだろ
うと考える。
携帯を中心にしてCRMを考えているこの本は、事例も豊富で非常に参考になった。
今後携帯サイトを検討している企画者は、一度目を通しておくと良いと思う。
●何事も実践あるのみ
「こうすれば売れる」系のマーケティング本は本当に星の数ほどあるけれど、「具体的には
こうしたらいい」という具体的な方向性を示してくれる本にはなかなか巡り会えない。
そういう意味で「実際に売る」ためにどういう行動を起こせばいいかについて、ヒントを与え
てくれる本書は貴重。実際のケーススタディが豊富にあればもっと嬉しかった。
●スペックよりも実践から生まれる真のマーケティング術
昨今、マーケティングにおいてケータイの活用を謳う本は多い。しかし、その多くが普及
台数の多さや技術進歩に基づく夢物語を述べるばかりで、本当に企業や店舗の現場で
実践できそうな情報が実は乏しいことに驚かされる。
つまり、「手段」であるべきケータイが「目的化」してしまっている。「おサイフケータイ」も
正にその一例で、多くの人はケータイが財布の代わりになるくらいの認識しか持ててい
ないのが実情だろう。
この本は、そういった「能書き」から入るのではなく、「店舗」という
現場の、最前線が
求めている課題解決の方法策として、筆者が経験してきた多くの成功・失敗事例をベース
に現実味を感じられる視点で書き綴られている。
カタカナ用語が比較的多く感じられるのは筆者の生い立ちがそうさせているのかもしれな
いが、きちんと注釈を付けて解説しているのでそれ程苦にはならないだろう。
企業のマーケティング担当から店舗責任者まで、特に小売や外食産業の方々にぴったり
ハマる本ではないかと思う。
「店舗をケータイでブックマークする」という概念は相当新鮮だ。
●今やらなくては。
PCに比べたら携帯電話は1人1台。そこにビジネスチャンスとして目をつける人は多い。
けれど、大量のメールマガジンは迷惑メールとしてすぐ削除されてしまうし、100円かけ
て作ったDMと1円もしないメールマガジンとどっちが効果があるのか?
そんな中確実に消費者をとりこにし、売上に反映していく企業もある。どうして?何故?
しかも今度は「おサイフケータイ」だなんて。電子マネーに会員証機能なんて一体どう
すりゃいいの?判らないことだらけでした。
私はもともとマーケティング本なんて読みませんでした。答えがなく、とめどなく、で、
どうすりゃいいの?と思ってしまうから。しかし、それは違った。簡単に答えなど求めて
しまってはいけないのだ。だから、失敗が生まれてしまう。考えて、考えて、実践して、
分析して初めて次の一歩が出る。それを実感させられました。
何度も読み返して、次に何をやるか実践したくなる一冊です。